序言
掲載日:2022年4月4日/更新日:2025年2月10日
『にじのかけはし』序言より
15年ほど前、私は懐かしいような温かい雰囲気に惹かれ川崎協同病院に就職しました。先輩から「ここは、患者さん達が、公害喘息の裁判で勝ち取った賠償金を出しあって建てられた地域のための病院なんだ」と教えてもらったのをよく覚えています。
医師として働きつつ、ひそかにセクシュアルマイノリティーとしての苦悩を重ねていた私は、うつ病を患い休職を余儀なくされました。体調が回復し、LGBTQと医療に関する活動を始めようと覚悟したものの、何から始めたらいいのか分からず、海外の活動家のLGBTQ当事者医師達に連絡しました。「1 人でできることは少ないから、まずは仲間を作りなさい」とのアドバイスをもらいました。
そして今、民医連綱領にある「共同のいとなみとしての医療と介護・福祉をすすめる」という言葉の重みを感じています。私の小さな声が、皆さんに受け入れられて、広がり、この冊子が作られることになりました。ここまでの道のりの中で、民医連で働くお一人おひとりが、それぞれの現場で、地域の人と共に「無差別・平等の医療と福祉」を目指し続けてきた底力を感じ、とても励まされました。
全国に仲間がいると感じながら、私はこれからも、誰もが安心して受診でき働くことのできる医療機関作りを目指します。この冊子が、
皆さんのいとなみに、少しでも役立てばとても嬉しいです。
一般社団法人 にじいろドクターズ 理事
川崎協同病院 総合診療科 科長
吉田 絵理子
著者プロフィール

■医師として川崎協同病院に勤務をしながら、LGBTQと医学教育に関する研究を行っている。2018年にはバイセクシャルかつXジェンダーであることをカミングアウトし、主に医療関係者を対象にLGBTQの人々のケアに関する講演活動やワークショップ等を開始した。2021年にはプライマリ・ケアに携わる医師の仲間で一般社団法人にじいろドクターズを立ち上げ、すべてのセクシュアリティーの人が医療機関に安心して受診でき、適切な医療を受けられることを目指して活動している。