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実は身近な「性の多様性」

掲載日:2022年4月4日/更新日:2025年2月10日

『にじのかけはし』第1回より

みなさん、初めまして。神奈川県にある川崎協同病院の総合診療科で、医師(16年目)として働いている吉田絵理子と申します。2022年度、「性の多様性」についての連載を1年にわたって担当します。

最近はLGBTQ(性的少数者)※という言葉を耳にすることも多くなりました。みなさんはLGBTQと聞くと身近に感じますか、それとも遠い話でしょうか? 読者のなかには、「LGBTQの人には会ったことがない」と思う人もいるかもしれません。しかし、これまで日本で行われた複数の調査では、LGBTQに該当する回答者は約3~9%だったと報告されています。この数字から考えると、40人のクラスに1~3人くらいはLGBTQに該当する人がいるかもしれない、ということになります。

これは民医連を利用する患者さんや利用者さん、また職員に関しても当てはまります。日本ではカミングアウト(自身のセクシュアリティーを他者に伝えること)が一般的ではなく、身近にLGBTQの人と接していても気づきにくいのです。

実際、私には女性のパートナーがいますが、2018年まで職場では一切話したことがありませんでした。職場でカミングアウトをした時には、驚いた同僚は少なくありませんでした。医療機関を受診した時に困ったこともあります。婦人科を受診した際に、問診票に性交渉について書く必要がありましたが、「女性との性交渉について書くと変に思われるんじゃないか」と気になり、正直に書けませんでした。

また入院した際に、キーパーソンとして長年いっしょに住んでいた同性のパートナーの名前を書くのにも、勇気が必要でした。入院した病院で医学部の同級生にばったり会ってしまい、「カルテを見られて自分が同性愛者であることがばれて、みんなに伝わったらどうしよう」と、入院中ずっとおびえたというおまけもついてきました。

無差別・平等の医療と福祉を目標に掲げる民医連の事業所では、かつて味わったそんな怖い思いをすることなく、どんなセクシュアリティーの人にも安心して利用してもらいたいし、働く人にとっても安全な場であってほしいと思い、この連載を担当させてもらいます。みなさんといっしょに紙面をつくっていきたいので、知りたいことや疑問に感じていることなど、どんどん編集部に寄せてください。


※LGBTQとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング、クイアの頭文字から作られた言葉で、セクシュアル・マイノリティの人々の総称として用いられています。クエスチョニングとは、自身のセクシュアリティーを探求中だったり、決め付けたくない人のことを表わし、クイアとは規範的とされる性のあり方とは異なる生き方をする人々を包括的かつ肯定的に表す言葉です。