私たちにできること
掲載日:2022年8月15日/更新日:2025年2月12日
『にじのかけはし』第10回より
今回はこれまで紹介してきた内容をもとに、さまざまな性自認・性的指向の患者が受診しやすく、職員にとっても働きやすい医療機関にするため、私たちが工夫できることについてまとめてみます。
医療機関としてのとりくみ
- 性自認・性的指向で差別しない方針を明文化し、内外に公表する。職員教育を行う。
- 受診しやすい診療環境を整える。(例:待合にあるパンフレッ トや書籍、掲示物にLGBTQ関連のものも置く)
- 性自認・性的指向を推測せず、ジェンダーに中立な言葉をつかう。
- セクシュアリティーに関しても守秘義務を守る。
- 患者が希望すれば法律上の親族でなくても面会、病状説明の同席や手術などの同意書にサインできるようなルールを定め、公表する。
- 問診票に性別欄が必要な場合には、自由記載にする。
- 性交渉歴を聞く必要がある場合には、相手が異性であることを前提としない聞き方をする。
- 通称名を使えるようにし、番号での呼び出しも選択可能にする。
- トイレ、入浴施設、院内着、検査着などは、ジェンダーに関係なく使えるものを用意する。
- 患者からフィードバックができるシステムを整える。
- 地域の多様なリソースと繋がり、必要に応じて患者に紹介する。
職員・事業所内のとりくみ
- 就職時のエントリーシートから性別欄を削除する。
- ジェンダーにかかわらず使用できるトイレ、更衣室を用意する。
- 通称名の使用を認める。
- 同性パートナーでも福利厚生を利用できるようにし、申請には当事者であることを周囲に知られない方法を用意する。
- トランスジェンダーの職員が、ホルモン療法や性別適合手術を要する際には、費用補助、休暇の保障を行う。
これですべてを網羅しているわけではありません。みなさんの職場でなにができるか、ぜひ話しあってみてください。実践にあたっては、1人でとりくむのではなく、職場内でチームをつくると継続しやすいです。
関心のある地域住民とのチームづくりができれば、より良いでしょう。私は全日本民医連に、各事業所でのとりくみを共有し、相談しあえるような委員会の設置を切望しています。※

※増田会長の「巻頭言」、加賀美副会長の「読みおわられた皆さんへ」で触れられている通り、第45期全日本民医連総会方針の具体化の一つとして「人権と倫理センター」を立ち上げ、取り組みが開始されたところです。