ジェンダーギャップ
掲載日:2022年11月7日/更新日:2025年2月12日
『にじのかけはし』第15回より
多様なSOGI(性的指向や性自認)の人びとが過ごしやすい組織づ くりをめざしていると、無意識に根付くジェンダーへの固定概念と施策 とがぶつかり、思わぬ抵抗にあうことがあるかもしれません。
内閣府は「2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なく とも30%程度」という目標を掲げていましたが、日本医師会による2019 年の調査では、医学部の医師の教授の95.7%、日本医学会分科会の会長 (理事長)の98.9%が男性でした(公益社団法人 日本医師会 女性医師支 援センター. 平成31年度. 文献⑦)。医師の業界は”驚くべき男性優位社 会”と言っても過言ではないでしょう。
そのような現状で、日本麻酔科学会では理事に女性枠を設けるポジテ ィブ・アクションを導入し、理事の30%以上が女性であることは、1つ の希望だと感じます。
私は、日本プライマリ・ケア連合学会のダイバシティ推進委員会に所 属しています。委員になったばかりの頃は、会議のなかで女性・男性と ジェンダーギャップ 第15回 33 いう言葉が飛び交い、Xジェンダーの私には居場所がないと感じること が多々ありました。しかし、所属している3~4年間で、委員のなかに 多様なSOGIに関する意識が育ち、女性・男性の二項対立で語られる ことが劇的に少なくなっていくのを目の当たりにしました。議論が深ま っていく様子から、多様なSOGIの人びとが過ごしやすい組織づくり をしていくことは、「LGBTQの人びとのため」ではないと実感しまし た。
では民医連はどうでしょうか。現在の全日本民医連の理事87人中女性 は26人(29.9%)、四役30人中では5人(16.7%)とのことです。みなさ んの組織についても、ぜひ調べてみてください。
最後に日本全体を見てみましょう。世界経済フォーラムが2022年に発 表したジェンダーギャップ指数(0が完全不平等、1が完全平等)によ ると、日本は教育分野では指数1.000で146カ国中1位なのに対し、政治 分野では指数0.061で139位でした(世界経済フォーラム. 2022. 文献⑧)。
このような日本だからこそ、私は女性・男性の二項対立とは異なる多 様なSOGIという斜めの角度から言葉を発信し続けることで、ジェン ダーに公平な社会づくりをしていきたいと考えています。(この原稿で は、あえて「男女」とは表現しないでみましたが、みなさんは気づいた でしょうか?)


参考:日本プライマリ・ケア連合学会 ダイバシティ推進委員会のサイト
https://www.primarycare-wlb.com/
文献⑦
公益社団法人 日本医師会 女性医師支援センター. 平成31年度 女性医師支援に関するアンケート調査(大学医学部版)、(医
学会版).
URL:https://www.med.or.jp/joseiishi/article022.html
文献⑧
世界経済フォーラム. Global Gender Gap Report 2022.
URL:https://www.weforum.org/reports/global-gendergap-report-2022