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最初の一歩のすすめ方

掲載日:2023年2月20日/更新日:2025年2月12日

『にじのかけはし』第21回より

私がLGBTQに関する活動を始めた2018年頃、女性のパートナーは いたものの、他に当事者の友人や知り合いはほとんどおらず、右も左も わからない状態でした。そこで、まずはLGBTQ当事者の医療従事者 が集まる会に参加したところ、LGBTQのサポート活動をしている人 たちとつながりができ、自分に何ができるかを具体的に考えられるよう になりました。最初は医師としてLGBTQに関して話せることは一つ もなく、地道に英語の教科書や論文を読みすすめました。

孤独な作業で したが、途中で同じ関心を持つ医師たちに出会えて、活動の幅が一気に ひろがりました。とはいえ、当時は医療従事者の間でも「LGBTQと 医療」への関心は薄く、講演などを企画しても採用されないことがあり、 落ち込むことも多々ありました。しかしうれしいことに、そこから数年 で驚くほど関心を持つ医療従事者が増えました。

また私は当事者ということもあり、関心を持ってもらえないと傷ついてしまうこともありました。そんな時、同じ未来を見ている人たちに弱 音を吐けたことで助けられ、心折れずに活動を続けられました。今は全 国各地にさまざまな当事者団体、サポート団体があります。私はLGB TQ当事者の1人ではありますが、自分とは異なるセクシュアリティー の当事者と話すと、毎回学びがあります。ぜひ、地域のLGBTQサポー ト団体に連絡して、つながりを持ってみてください。

ふり返ると、仲間をつくる、活動団体とつながる、完璧でなくても小 さなことからトライしてみることが重要でした。初めての講演の時は、 間違ったことを言ってしまわないかと不安で、活動家の先輩に原稿の確 認を頼みました。今でも、以前話した内容は適切ではなかったと気づく ことがあり、日々修正しています。性の多様性は奥が深く、完璧に理解 してから始めようと思うと、なかなか踏み出せません。小さなことから でも、一歩ずつ挑戦してみることをお勧めします。

そして「どうやって仲間を見つけたらいいだろう」と思った人に朗報 があります。ついに、全日本民医連に「SOGIコミュニティ」が立ち 上がることが決まりました。詳しくは次回でお伝えします。