「力任せ」での危険な移乗(トランスファ-)から、なかなか抜けられないのですが・・・?|Q&A
掲載日:2025年3月21日/更新日:2025年3月21日

Q. ノーリフトケアを当法人でもと思うのですが、やはり職員の中からは「道具を使う時間がもったいない」「時間がない」などの理由でスライドボードなどがあるのに使用されない実情があります。どうすれば上手く使ってもらえるのか悩みます。

A. どの施設でも、やらない理由として必ず上がってきます。なぜ導入しなければならないのか、今までの力任せの方法が患者(利用者)や職員にとってどれほど危険で有害だったか等について、繰り返し学習していくことが必要です。何よりも、トップが従業員の安全配慮義務として、腰痛予防義務として、実施する責任があるとの自覚に立ったリーダーシップを発揮する必要があります。確信につながる学習が不可欠です。

Q. 病院で腰痛予防対策を実行するときに、組織構成ややるべき議題、日常活動など参考になる資料があれば知りたいです。

A. 厚生労働省が「医療保険従事者の労働災害防止(看護従事者の腰痛予防対策)」を公表しています。

Q. 日本でも、ノーリフトケア実践により、腰痛病欠者が大幅に減少して2年間で約700万円の費用削減効果があったと知り勉強になりました。実際に推進していく上でのトレーニングや研修方法をご教示ください。

A. 指導者として求められる能力は、単にリフト等補助具を使えるということではなく、職場の働き方を変えていくための指導者としての能力であり、日本ノーリフト協会ではベーシックコース、アドバンスコース、各3日、4日のコースが設定されています。(下部、リンク参照)府県レベルで、社協などが指導者要請研修を実施しているところもありますが、日程・カリキュラムは日本ノーリフト協会に準じています。

回答者の、垰田和史 医師(働くもののいのちと健康を守る全国センター理事長・日本ノーリフト協会特別顧問)のセミナーはこちらからご覧になれます。