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熱中症の予防には水分の他に、塩分補給が必須だと思っているのですが?|Q&A

掲載日:2025年6月25日/更新日:2025年6月26日

Q. 熱中症の予防には水分の他に、塩分補給が必須だと思っているのですが?

A. 塩分よりも、熱中症対策として重要なのは朝食をしっかり食べることです。

激しいスポーツをされる方や重筋労働に従事する方以外は、食事に含まれる塩分で十分です。また、食事で摂れる炭水化物やタンパク質にも、血管の中で水分を保持する働きがあり、熱中症の予防にはとても効果的です。日本人の一日の塩分摂取量は、平均10g(男性11g、女性9g)と言われており、国際保健機構(WHO)は5g、厚労省は8gを目標としていますから、日本人は過剰に塩分摂取をしているわけで、少し汗をかいたくらいで塩分補給する必要はありません。

恒温動物は、汗をかいて体温を一定に保ちますから、汗で失われる塩分を補おうとすることは間違いではありません。汗の塩分濃度は0.4%程度と言われています。ところが、1ℓの汗をかくと4gの塩分が失われるのかというとそうではなく、人間の身体は上手くできていて、尿中のナトリウム量を減らすなどして、血液中のナトリウム濃度を変えないように調節しています。

A. しかし、塩分が大量に失われる3ℓ以上の大汗をかくような場合や、夏バテなどでの食欲低下は、熱中症の危険性が高まりますので、水分に加えて塩分補給が必要となります。また、アルコールは、血液中の水分を外に出す働きがあり、睡眠の質を低下させる働きもあるため、深酒の翌日は脱水で寝不足という熱中症になりやすい状態になっていると言え、注意が必要です。

A. いずれにしろ熱中症での死亡者数は今年も2千人を超えると予測されており、地球温暖化の影響で年々リスクが高まっています。6月1日施行で「職場における熱中症対策の強化」が義務化もされており、安全配慮には特段の留意が求められます。