2法律や指針などの活用|民医連職員の健康管理を進めるうえでの課題と視点
掲載日:2026年2月2日/更新日:2026年2月2日
この資料について
2法律や指針などの活用|民医連職員の健康管理を進めるうえでの課題と視点
働く人びとの健康管理の課題は、労働基準法、労 働安全衛生法などの法律や規則等によって最低基準 が明確に定められています。これらの法律・規則は、 労働者の長い闘いによって勝ち取ってきた成果でも あり、順守すべきものです。また、指針・通達は、 職場づくりにおいて参考になることが多く、職場で 積極的に活用しましょう。
最も重要なことは、労働安全衛生体制の確立と強 化です。常用労働者が50人以上の事業所では、衛生 委員会を設置することは当然ですが、50人未満の事 業所でも、職場会議などで職員の健康と安全の課題 を議論しましょう。この常用労働者には正規職員だ けでなく非正規職員も実人数としてカウントされま すので注意してください。
法律、規則、指針、通達などの情報は、インター ネットで検索できます。厚労省、都道府県労働局、 産業保健総合支援センター、中央労働災害防止協会 (安全衛生情報センター)などの公的機関だけでは なく、日本産業衛生学会、日本労働衛生コンサルタ ント会などのホームページも役に立つ情報でいっぱ いです。
「第14次労働災害防止計画」(2023年4月)
「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」 (2021年2月8日)
「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」 (2019年7月1日)
「第三次産業における労働災害防止対策の推進につい て」(2011年7月14日)
事務所衛生基準規則(2021年12月1日改正)
・「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置 に関する指針」(1997年9月25日)
・「情報機器(旧VDT)作業における労働衛生管理のた めのガイドライン」(2019年7月12日)
・「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(2015 年5月15日)
・「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」 (2019年7月1日)
・「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する 指針」(2017年4月14日)
・「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう〜 労働者の健康確保のために〜パンフ」
・「働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する 法律(働き方改革関連法、一括法)」
(2018年7月6日)
・「医師の働き方改革について」「医師の働き方改革をめ ぐる最新の動向」(2021年)
・「勤務環境改善マネジメントシステム」「都道府県医療 勤務環境改善支援センター」
・「いきいき働く医療機関サ ポートWeb」
これらの法律や指針は、最低基準を示しているも のなので、これらを順守するだけでは不十分です。 さらに2023年4月より、化学物質の管理を事業者任 せにするなど、労働法規が急激に規制緩和され改悪 されていることにも注目する必要があります。そし て、コロナ禍での職員の健康管理については、指針 などもありません。これまでにはなかった、新しい 取り組みが必要です。
医療従事者、特に医師は、「宿直」や「自己研鑽」 の名の下、働いても労働時間にカウントしないとい う労基法違反や、医療を守るためという理由で無限 に残業できることが、行政に許されてきました。医 師の働き方改革は、それらを許さないという医療法 改正です。しかし日本では、労基法を無視した医師・ 医療従事者の働き方を前提として医療が成り立って いるため、単純な労基法の適用は医療崩壊に直結し ます。実際に、働き方改革によって救急部門など医 療を縮小した病院も少なくありません。2023年現在、 様々なところでこの矛盾が明らかになり、医師につ いては、働き方改革から逆行する動きがあります。 具体的には、働いても労働時間にカウントしない「宿 直」の許可を、厳密にしてきた労基署が以前と同じ ように許可するようになりました。しかし、この逆 行は、医師の過重労働を追認するだけであり、何の 解決になりません。
そもそも、医師や看護師、介護職の増員、医療・ 福祉労働者が労基法を守る働き方で経営が成り立つ 診療・介護報酬など、医療・福祉労働者の労働条件 を改善する政策抜きに、ただ単に現場に矛盾を押し 付けるのが今の働き方改革です。医師の働き方改革 は、対応することと同時に、医師増員の運動、ナー スアクション、介護ウェーブや、診療・介護報酬を 上げさせる運動を展開しなければ、いずれは医療や 介護の崩壊を招くでしょう。
こんな時に利用する
『健康で働きつづけられる職場づくり』



